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第1章「開業への基礎知識」


・エステティックサロンの仕事
・望むエステティシャンになるために
・1対1で人と接するエステティシャン
・資格がなくとも独立できる?
・関係する法律、営業の届出など
・開業するために必要な機器とは
・スクール選びは慎重に

≪初めに │ 第2章≫


必ず知っておきたいエステサロンの基礎知識1

美しさを望むお客様に対する、美の追求のお手伝い
エステティックサロンの仕事

エステティックとは、美容のプロとして、お客様が外見だけではなく内側からもきれいになれるように、お客様持つ美しさを引き出し、さらにお客様が望む美をつくり上げていくことです。

何を求めてサロンに来られたのか、まずお客様の目的を知り、その目的達成のためのお手伝いをすることが、エステティシャンの仕事です。

【お客様の来店目的・動機の例】

・コンプレックスの解消
・ブライダルにむけての準備
・日常からの脱出(リラクゼーション)
・自分へのご褒美
・アンチエイング
・現状維持&予防


エステティックサロンでは主なコースとして、痩身・フェイシャル・脱毛・ボディーケアー・リフレクソロジー・フットケア・ハンドケア・バストケア・ブライダルなどが現存します。また「美の創造は骨格から」とのコンセプトで、最近ではO脚矯正や骨格矯正を取り入れているところめずらしくはありません。



必ず知っておきたいエステサロンの基礎知識2

どんなエステティシャンになりたいのか、しっかりとイメージする
望むエステティシャンになるために

エステティシャンは治療家ではないので、国家資格は必要ありません。しかし直接お客様の肌に触れて施術を行う仕事ですから、最低限の皮膚科学、解剖生理学、化粧品の知識は当然必要です。全てを独学で学ぶのは大変難しく、スクールに通い、知識と技術の両方を修得するか、社内研修を実施している会社に就職する方法が、エステティシャンとして働く一番の近道でしょう。

エステティシャンになるためには、一般的に以下のような方法があります。

★スクールで学び民間資格を取得し、サロンに就職する
★直営店のあるスクールで学び、卒業後直営店スタッフとして働く
★未経験者の受け入れがある会社やサロンの面接を受け、就職する
★サロンを併設してる化粧品会社に、エステティシャンとして就職する


「エステ」と言えば一言ですが、その中でもトータルビューティーを目的として、脱毛、痩身、フェイシャル、リフレクソロジー、ボディートリートメント、マツ毛パーマまで何でも幅広くこなすサロンと、サロンの専門性を打ち出し、脱毛専門、痩身専門、フェイシャル専門、シミ取り専門、バスト専門のようなサロンとがあります。

またリラクゼーション目的が中心のサロンなのか、コンプレックス解消に重点をおいているサロンなのかにより、サロンの雰囲気は大きく変わります。
これからエステティシャンになりたいと考えている人は、まず自分が「何のために」「どんなエステティシャンに」なりたいのかを明確にし、それに合った方法を選ぶ必要があります。

「何のために」をつきつめると、美容に興味があり、仕事として関わっていくことが最も優先される場合もあれば、独立し、自分の腕一本で生計を立てていくことを考えて、独立できる業種の選択肢の中から自分にいちばん合っていたのがエステティシャンだった、という場合もあります。また、経営そのものに興味があるという人もいるでしょう。

「どのような」とは、美を追求したいお客様に対し、適切なアドバイスをすることができる専門家としてのエステティシャンがいれば、「癒し」を追求し、極上のリラクゼーションを提供できるエステティシャンもいるということです。お客様がエステに求めるものは多様で一人ひとり違うため、目指すべきエステティシャン像も様々であってよいのです。

会社やサロンによっては、社員雇用だけでなくアルバイトやパートでの求人募集をしているところもあります。スクールに通いながら、サロンでも働いて実務経験を積みたい人などもいるでしょう。雇用形態は様々ありますので、自分の現状に合わせ変化させていくこともできます。



必ず知っておきたいエステサロンの基礎知識3

美に対する意識が高いだけではなく、接客が好きな人であること
1対1で人と接するエステティシャン

エステティシャンは究極の接客業と言えます。同じ接客業でも、小売業のように短時間で多くの人と会うのではなく、一定の時間を一人のお客様と向き合うことになります。サロンにもよりますが、たいていの場合短くても60分、長ければ120分以上の時間を、ほぼ1対1の状態で向き合います。

まず、接客が好きなことは絶対条件でしょう。そしてもちろん、美容好きな人のほうがエステティシャンには向いていますが、自分自身の手入れをして自分がきれいになりたい人と、誰かに美を提供したい人では、同じ美容好きでも大きな違いが出てきます。

実際に現場に入ると、描いていた憧れやイメージのエステティシャンという職業と、実際のハードワークとのギャップに耐え切れずに、辞めていくエステティシャンもたくさん居ます。高い授業料を支払いスクールで学び、資格を修得したにも関わらず、結局それを活かせないのです。

接客が大好きで常に美に対する意識が高く、他の人にもそれを伝え、きれいになる喜びを分かち合いたい、と考えられる人ならベストでしょう。

またエステティシャンは「手」が命であるのは、おわかりでしょう。ゴルフなど、何かを強く握って手が荒れていたり、マメができるような趣味を持っている人には不向きでしょう。そして、爪でお客様の肌を傷つけてしまうことのないよう、爪は常に短く清潔でなくてはなりません。欲をいえば、あまり骨ばっている指ではなく肉厚で、プヨプヨしているくらいの手だと最高です。ゴッドハンドといわれるエステティシャンの手はみなそうです。

お客様は、触れられている「肌」に全神経が集中します。エステティシャンは、その肌に宝物を取り扱うよう優しく丁寧な気持ちで触れなければなりません。その気持ちがお客様の肌を通じて伝わり「気持ちがよかった!心が軽くなった!また来たい!」と、心に響く感動へと変わるものです。

以下にエステティシャンに向いている人の項目をあげてみたので、
自分はどのタイプなのかを考えてみてください。


・接客が好き
・エステを体験したことがある
・新しいことに挑戦するのが好き
・美容情報に敏感
・自分の容姿でもっと改善したい部分がある
・人に喜んでもらうことが好き
・手に職をつけたい
・面倒見がいいほうだ
・自分磨きが好き
・自分自身がもっときれいになりたい
・エステやスパ、ダイエットなどの流行の「きれい」情報はとりあえず体験してみるほうだ
・将来は独立してサロンを持ちたい
・笑顔と元気がとりえだ
・誰とでもすぐ仲良くなれる
・歳をとっても働きたい
・生き生きと自信を持ち働きたい
・手や指に厚みがあり柔らかい
・好奇心が旺盛だ



必ず知っておきたいエステサロンの基礎知識3

自信と社会的信頼のために、資格は取得すべき
資格がなくとも独立できる?

現在日本では、エステティシャンに対して国が定めた公的資格(国家資格やライセンス)は存在しません。一般にエステティシャンに取り「資格」と呼ばれているものは、すべて民間団体が発行しているものです。多くの団体がそれぞれ独自のカリキュラムによりエステティシャンを育成し、終了証や資格を発行しているのが現状です。つまり、エステティクサロンを開業するにあたり、資格がなくても問題はない、ということです。

しかし、資格を取得していることにより自分に自信がつくことはもとより、社会的信頼が違ってくるのは当然おわかりのことでしょう。独立を目指すのであればなおさら、資格取得をするべきでしょう。そのために学んだことは多いに役立つはずです。

エステティシャンは独立に資格が不要なこともあり、近年では低価格サロンや個人サロンが急増しています。

一方利用者側も、以前のようにエステ=高額のイメージが薄れ、フリーペーパーやインターネットクーポンを利用して、年齢を問わず気軽にエステサロンを選び、足を運ぶ時代になりました。エステの開業存続も、激しい競争社会となっているようです。

また最近では、メンズエステも流行しています。年齢や性別に関係なく、外見美やリラクゼーションを求める人々が増えていく一方のことでしょう。

以下に、多数ある中でも、業界のなかで信頼性の高い団体とされている協会および、資格の種類をあげてみました。資格取得の際には参考にしてください。

日本エステティック協会
取得資格
■認定トータルエステティックアドバイザー
■認定エステティシャン
■認定フェイシャルエステティシャン
■CIDESCOインターナショナルエステティシャン


日本エステティック業協会(AEA)
取得資格
■AEA認定インターナショナルエステティシャン
■AEA認定エステティシャン
■AEAベーシック認定エステティシャン
■AEA認定脱毛技術者


国際エステティック連盟(INFA)
ベルギー首都ブリュッセルに本部を置き、
エステティックをアカデミックに追求する組織
NPO法人ソワンエステティック協会

取得資格
■介護予防エステティシャン




必ず知っておきたいエステサロンの基礎知識5

最低限おさえておきたい開業のための知識
関係する法律、営業の届出など

エステティシャンおよび、エステティックサロン開業にあたり取得が義務付けられている公的資格はありません。つまり、国家資格として確立していないため、「エステティック業=自由業」という位置づけなのです。そのため、国や自治体に登録したり、区や市から許可をもらう必要もなく、開業するだけならいつでも誰でもできます。

しかし、人の肌に直接触れ施術を行うものとして、またサロンを営む事業者として知っておく重要な法律、規則があります。大切なお客様を守るためにも、自分自身やサロンを守るためにも、理解しておきたいところです。 以下に最低限チェックしておきたいものを挙げておきます。

【エステティック業に関する法律と規則】
★保健医療関係法規
・医師法
・あん摩
・マッサージ
・指圧師
・針師
・灸師に関する法律
・その他エステティックサロンでは、治療行為にあたることはできません。したがって、医薬品を扱うことも出来ません。

★衛生関係法規
・公衆浴場法
・理容師法
・美容師法
・その他

★薬事関係法規
・薬事法
・その他


薬事法とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、及び医療用具の品質、有効性および安全性の確保のために必要な規制を行ない、保健衛生向上を図ることを目的として定められた法律です。

薬事法により、『化粧品』とは「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、また皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布、その他これらに類似する方法で使用されることが目的にされるもので、人体に対する作用が緩和なものをいう」と定義されています。つまり、肌や毛髪を健康に保つためにゆっくりと作用し、もしも間違った使い方をしても大事にいたらず、安全なもの、ということです。

海外製品を正規でないルートで仕入れ、販売した場合は
薬事法の規定に違反し、処罰の対象となります。

★社会・経済関係法規
・特定商取引に関する法律
・割賦販売法
・消費者契約法
・消費者基本法
・不当景品類、及び不当表示防止法
・個人情報表示法
・その他


エステティックサロン業には、特定商取引法(特定継続的役務取引法)が深く関わってきます。
★特定商取引(特定継続的役務取引)
・特定継続的役務の定義(法律41条第2項より)

国民の日常生活に係る取引において、有償で継続的に提供される役務にであって、次の各号のいずれにも該当するものとして政令で定めるものをいいます。

1.役務の提供を受ける者の身体の美化、または知識もしくは技能の向上その他その者の心身、または身上に関する目的を実現させることをもって誘引が行われるもの。

2.役務の性質上、前号に規定する目的が実現するかどうかが確実でないもの。
この政令は役務提供が一ヶ月以上で、金額が5万円を超える契約が対象となる。関連商品の販売を含む役務提供においての政令で、契約締結前および契約締結時の書面の義務付けや誇大広告などの禁止等が細かく決められている。


前行には、特定商取引方に違反し処分を受けた例を挙げておきました。契約の中途解約にどんな場合でも禁じていたり、契約の内容が書かれた書面を消費者にわたしていなかったり、あるいはおよそ考えられないダイエット効果があがると、うたった広告を出していたりと、一般の常識で考えても不誠実な行動ですが、法に違反すると知らずにやってしまうケースもあるので、しっかりと確認しておきたいところです。





必ず知っておきたいエステサロンの基礎知識6

機器は単価を上げる期待もあるが、導入は慎重に
開業するために必要な機器とは

どのようなエステティックサロンを開業するのかにもより変わってきます。どんな場合でも一番の基本はあなたの「手」による施術です。手による技術をきちんと身につけ確立した上で、さらなる効果を出すものとして機械があるのだという意識を忘れないでください。また、サロンでの施術効果をより長くよい状態で維持をしていただくためのホームケア用品の販売を行うことで、サロンの売り上げ向上や安定を図ることが出来ます。

手技による施術には、10分=1000円という意識が一般的にも寝強いため、機械を導入した施術を行うことにより、施術単価をあげることは可能となります。ただし、購入する機械にもよりますが、機械自体が高額な場合が多いことや、機械を購入したからといって、必ずしもお店が繁盛するということではないことを念頭におき、本当に自分のサロンに必要で、使いこなすことができ、かつ安全な機械なのかどうかをよく吟味した上で購入するべきだといえるでしょう。

【機械の種類】

★フェイシャル
・スチーマー
・イオン導入器
・超音波
・回転ブラシ機器
  ・スプレー機器
など

★ボディー
・温熱機器
・サウナマット
・低周波機器
・高周波機器
・空圧機器
・超音波機器
・吸排気振動機器
など

★脱毛
・レーザー機器

など

エステ機器にも流行があります。最初はサロンメニューで必ず使用するものや、たとえ流行が変化していっても使用可能なものを選んだほうがよいでしょう。機械の組み合わせにより、事故につながるものもあるので、使用法や禁忌事項をよく確認してから購入しましょう。

【物販の種類】

★フェイシャル
・クレンジングオイル
・クレンジングミルク
・洗顔料
・ローション
・美容液
・パック
・乳液
・クリーム
など

★ボディー
・ボディーローション
・ボディー乳液
・ボディークリーム
など

★その他
・ダイエット関連商品
・補正下着
・サプリメント
など


化粧品販売業者は把握しきれないほどたくさんあります。そのなかから、自分で厳選した化粧品を仕入れ、お客様に対し施術やホームケア用品として提供することになります。その責任は重く、自らも本当によいといえるものを選ぶ必要があります。一般的にたいていの人には大きなトラブルは起きませんが、ごくまれに化粧品が合わずかぶれなどのトラブルを起こしてしまう人もいることは事実です。お客様の肌状態や健康状態をよくみてカウンセリングを行い、役務の提供や物販の提供を行うことが信頼にもつながります。





必ず知っておきたいエステサロンの基礎知識7

インターネットで探す場合のコツ
スクール選びは慎重に

エステティックサロンをオープンしたいと考えているならば、いくら資格がなくとも開業ができる業種といわれていても、絶対的に技術を身につけなければなりません。自分がどんなサロンにしたいかでスクール選びも異なります。

エステティックスクールを探す方法はいくつかありますが、効率的なのはやはり、インターネットでの検索です。どのスクールもホームページを設けています。どんなカリキュラムで学び、どんな先生が教えてくれ、どんな資格が取れるのかなど必要な情報が掲載されています。

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最近ではほとんどの大手エステの会社では、スクールを設けています。例えば自分が就職を希望する会社があれば、その会社が運営しているスクールに入るのもいいでしょう。それ以外にもネイル、メイク、ヨガなどを学びたいときは2年制の専門学校もあります。

また、そのスクールを卒業した後、独立している人が何人くらいいて、さらには成功している人の割合もわかれば、選ぶ際の基準にもなります。慎重にスクール選びを進めることが、将来エステティシャンとして働くための成功の鍵ともなります。



≪初めに │ 第2章≫

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